IPランドスケープ

知財情報解析を活用して知財経営に資する戦略提言を図ること

「IPランドスケープ」とは、特許などの「Intellectual Property(知財)」と、景観や風景を意味する「Landscape」を組み合わせた造語で、知財情報解析を活用して知財経営に資する戦略提言を図ることです。

2017年7月17日付の日本経済新聞朝刊でも「IPランドスケープ」は大きく取り上げられ、多くの反響を呼んでいます。2021年1月25日にはグローバル知財戦略フォーラム2021においてIPL推進協議会の設立と活動が発表され、更なる反響を呼んでおり、今後、加速度的に普及していくことが予想されています。

知財人材スキル標準(version 2.0)

特許庁が公表した、「 知財人材スキル標準(version 2.0)」の取扱説明書には、初めてIPランドスケープという文言が登場しました。

A

IPランドスケープ

B

知財ポートフォリオ・マネジメント

C

オープン&クローズ戦略

D

組織デザイン

IPランドスケープで実現できること

  1. 知財情報と市場情報を統合した自社分析、競合分析、市場分析
  2. 企業、技術ごとの知財マップ及び市場ポジションの把握
  3. 個別技術・特許の動向把握 (例:業界に大きく影響を与えうる先端的な技術の 動向把握と動向に基づいた自社の研究開発戦略に対する提言等)
  4. 自社及び競合の状況、技術・知財のライフサイクルを勘案した特許、意匠、商標、ノウハウ管理を含めた、特許戦略だけに留まらない知財ミックスパッケージの提案 (例:ある製品に対する市場でのポジションの提示、及びポジションを踏まえた出願およびライセンス戦略の提示等)
  5. 知財デューデリジェンス
  6. 潜在顧客の探索を実施し、自社の将来的な市場ポジションを提示する。

IPランドスケープの定義

IPランドスケープは知財スキル標準の中で、「パテントマップとは異なり、自社、競合他社、市場の研究開発、経営戦略等の動向および個別特許等の技術情報を含み、自社の市場ポジションについて現状の俯瞰、将来の展望等を示すものである」と定義されています。

また、別の言い方をすれば、マーケティングについて知財情報分析を活用する特許マーケティングとも言えるでしょう。例えば、従来、特許調査といえば、いわゆる「守り」の観点から、他社の特許侵害を回避するための他社特許抵触判断調査などが知的財産部門の主たる役割として行われてきました。

しかし、近年では、いわゆる「攻め」の観点から、特許情報に基づく分析等を始め、より具体的にはR&Dテーマ探索調査、アライアンス先候補・顧客候補の探索調査、M&A・投資対象候補調査など、知的財産部門が積極的に「提案」するタイプの調査が経営部門からも求められるようになってきており、この「攻め」の部分に力点があるのが従来の特許マップを作る特許調査と異なる「IPランドスケープ」に相当します。

比較

従来の特許調査とIPランドスケープとの違い

従来の「特許調査」

自社の弱み回避の「消極型」
特許情報のみ For「特許」戦略立案
特許調査 侵害抵触調査が中心

IPランドスケープ

自社の強みを活かす「積極型」
特許情報×非特許情報 For「事業」戦略立案
R&Dテーマ探索調査
アライアンス先候補・顧客候補の探索調査
M&A・投資対象候補調査

出所:金沢工業大学大学院 杉光一成教授 「デザイン・ブランド&マーケティング 伝討論から最近の議論まで(総論)」P14

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